第一回目のテーマはごらんのように「準備はOK?」です。いきなり取ってつけたようにいじっても、決して良いサイトにはなりません。しっかり準備して「リフォームして良かった」と思えるようにがんばりましょう。
まず「どれだけ自分自身のサイトを知っているか」がリフォームでは欠かせない要素です。はじめに、今あるWebサイトが作られた経緯と現状を把握することから始めましょう。まず「自己診断チェック」に一つ一つ確認していきましょう。
確認する内容はそれほど難しいことではありませんが、サイトを作ったときに使った写真や設定などの資料は必ず集めておいてください。集まったのならそのまま一つのファイルに保存することをオススメします。あとから参照するのに便利です。 そして、リフォームに必要だと思うものであれば、項目に無いものでも、いくらでもメモしておいてかまいません。
「サイト名採用の理由」も確認しておきましょう。
このサイトを作る事で「何をしたかったのか」を確認しましょう。
とても大事なところなので、いくつもでもリストアップしてください
「1万ヒット」、「雑誌に載る」など何かあったはずです、どんなものでもかまいません。
出来るだけ詳しく、どうやれば来るはずだと思っていたか思い出して下さい。
だいたいでかまわないので素直に分析してください。アクセスログから分析してまとめると良いでしょう。
重要度の高い順番に、コンテンツの名称と概要、セールスポイントなどをリストアップしましょう。
名称質問掲示板
概要サイトに来た人や講座を読んでくれた方の質問に答えるコーナー。
セールスポイントどんな質問をされても100%必ず答える。(注、解決率が100%ではない回答率が100%)しかも初心者などのレベルに合わせて丁寧に解説。ただし、レベルと質問内容からヒントしかあげない場合もある。
現在のサイトをTOPページから階層状に構造を再現してみましょう。どのような構造になっているか良く分かるはずです。
トップページからメインのコンテンツまでのクリックの回数を数えてみましょう。
トップページから最もクリック回数が多くかかったページまでのクリック回数です。2系統ある場合は最短経路の回数で数えましょう。
コンセプトの時と同じ要領で、より感性の面から「誰のために」「何をイメージして」「どうさせたかったのか」を書き出してください。文字であらわせなけれイメージでかまいません。
ページで使っている全ての色を書くわけではなく、「メインで使っている」色についてのみ書き出してください。「コーポレートカラー」のようなものがあればそれも書いてください。
黒、茶、オレンジ、白
ちょっとここだけは複雑ですが、ページをどのようにレイアウトして使っているかを書き出してください。
一つのページ中の要素は、「コンテンツ」「ナビゲーション」「その他(バナーなど)」の三つに分けられます。ページのデザインを書くのではなく、この3つの要素がどのように配置されているかを確認しておきましょう。
「STEP2ツールの準備」で詳しく触れますので、制作に使った機材を全部書いておきましょう。具体的なスペックが良く分からなければその製品の説明書やカタログなどを揃えてください。
登録しているサイト、登録されているサイトを確認してください。メジャーサイトからリンクされて入る場合も同様です。(例えば「Yahoo!」等)
例えば「口コミ」や「他サイトの掲示板に宣伝」、「マスコミへの告知」など、実行した宣伝を全てリストアップしましょう。結果も残しておくとベスト。
更新の頻度や、更新にかけている時間や費用などを書いて下さい。
現時点で認識している課題や問題点を確認しましょう。
以上で「自己診断チェックリスト」は終わりです。ある程度サイトが今どんな姿をしているかが浮き上がってきましたね。後で思い出した事があったらいつでも戻って再確認してください。ちょっと物足りないでしょうが、細かい分析はリフォームをしながら解説していきますのでご安心下さい。
次は、リフォームに必要な制作環境を準備しましょう。しっかりした「Webデザイン」をするためには、それなりに準備しておくものが必要です。ちょっと予算がかかりますが、大事な作業です。
OSは利用者のシェアが一番多いWindows(今ならXP)がベスト、
予算はメモリーやハードディスクに重点的にかけてください。
InternetExplorerとNetscapeNavigatorも表示チェック用に当然インストールしておきます。(Netscapeは6.2と4.78を両方インストールする。)
「使いこなせるソフト」が良いソフトです。高ければいい、タダならいいと言うわけではありません。ここを間違えるとせっかくの投資も時間も無駄になってしまいます。「入門」であるこの講座では、この条件に合ったソフトをお勧めします。
パーツ作成ソフト(画像やサウンド編集ソフト)
コンテンツ作成ソフト(FlashやPDF等を作成するソフト)
素材集(画像パーツや写真、フォントなど)
紙とペン、消しゴム、資料を入れるクリアファイルなど
(全部デジタルで出来る方なら必要ありません。)
細かい設定などは、それほど気にする事はありませんが、プロバイダー等のサーバにサイトに見合った容量のエリアがあれば大丈夫です。ただし下記の三つの点はリフォームの内容によって変更する必要がありますので注意してください。
以上の点によっては、コストや制作時に多少の変化が出ます。詳しくは専門誌やプロバイダーにお問い合わせ下さい。
デジカメ、タブレット、スキャナー、他のOSのマシン(Macintoshなど)
ツールをより良く使うため、作業を効率良く運ぶため、いざというときに役に立つのが情報源です。
※ツールだけではなく、制作に役立つ情報源を持つ事はとても大切な事です。
いざというときに頼りになる情報源を見つけておきましょう。
実際の道具だけ揃えるのではなく、それをうまく使いこなせるために情報源もしっかり調べていつでも使えるようにしておきましょう。サイト制作に関する書籍や資料はもちろん、ツールのメーカーからの情報、メールマガジンや定番サイトへのブックマークなども立派な情報源です。
今まで情報源を持っていなかった人もまず「初心者向けリンク集」から自分にあったサイトを見つけ、さらにポータルサイトで情報を探すテクニックを身に付けておくと作業の効率も確実にアップします。あまりに人任せもいけませんが、分からなくなったら聞ける掲示板やチャットなども情報源としては有効です。
最後に欠かせないのが、ライバルとなるサイトやメディアの情報です。当然ながら、それらも成長し競争を生き残ってきたわけですから、こちらがリフォームを完成する頃にまたその先をいかれてしまうこともあるわけです。弱点を見つけ自分の強みとして打ち出していきましょう。
ツールの準備は揃いましたか?
まだ完全に揃わなくても大丈夫です。作業を進めながら必要なものを見つけていってもかまいません。それではリフォームをはじめましょう!
さっそくリフォームに取りかかりましょう。ここからは「自己診断チェックリスト」を分析しながら「リフォーム設計用リスト」に新しいサイトを設計をしていきます。今回は準備なのでコンセプトや構造までをリフォームするまでリフォームするまでですが、自己診断チェックとほとんど同じなので、それほど迷うことはないと思います。ですが、内容は必ず違ってくるはずなので、じっくり考えながら完成させましょう。
「自己診断リスト」とほぼ同じ内容だと思いますので、詳しくは触れません。但しサイト名に付いてはそのままで良いのか一度は再検討しましょう。(ドメイン名を変更する場合も同様に再検討しましょう)
サイトをもっとも良く表すのがサイト名です。サイト名の作り方には、下記の2通りの手段があり、コンセプトによってどちらか適切な手法を選んでください。
例えば「本が欲しい」というニーズに対して「○○書店」という名をつければ、「本」をイメージさせるとても分かりやすい名前になります。これがニーズによる命名です。単純ですが、それだけに集客力も強いため初心者の方にはこの方法で命名することをオススメします。更にターゲットまで名前に加えるともっと分かりやすくなります。(例、「初心者のためのWebデザイン入門」等。)
直接ニーズに対してこたえる名前ではありませんが、「本」の例にたとえれば、「○○」といえば「本」と連想させてしまう事までを狙って命名する方法です。ですが、ブランドを定着させるには広範囲の宣伝や長い時間が必要で、安易に変更も出来ないため、なかなかカンタンにはいきません。既にブランドとして定着した名前を持っている企業のサイトならこちらの方法を選ぶべきですが、ゼロからの方にはオススメできません。
「診断チェック」でリストアップした、たくさん目的の中から「一つだけ」選んでください。一つが無理でも「主役」となるべき目的を選んでください。全てのベクトルはそれを達成する方向に組みたてていきます。
※目的の無いサイトは、自己満足以外得るものはありません。当然「自己満足」という目的も存在しますが、せっかくインターネットが世界中に繋がっているのですからもう少し前向きなものにしましょう。
ターゲットの設定には、アクセスログ等から「今までの傾向」、他メディアからの情報で「社会の動向」をまとめていけば、ある程度の想定が出来ると思います。そこで、ターゲットを年齢・性別・嗜好・ニーズなどで仕分けて「3つ以下のパターン」にまとめてみてください。絞り込む事で、どんな手段にするべきかが明確になります。
(例、Webデザインがしたい比較的若年層のシンプルなデザインが好きな男女等)
はっきりと数字で理解できる評価基準を決めてみましょう。それほど大きなサイトでなければ「アクセス数」が一番単純に評価できる基準となるでしょう。サイトが提供するコンテンツのジャンルによってアクセスの平均値はそれぞれ違うため一概には言えませんが、少なくとも抽象的な目安よりは確かです。
他にも、アクセスの数ではなくその質(例えばリピーターの率など)を目安に使っても良いでしょう。もちろん実現可能な範囲のほうが具体的な戦略が立てやすいので、無理の無い設定を心がけましょう。
「目的」と「ターゲット」を考慮しつつ、重要と思われる順番からコンテンツを並べておきましょう。具体的な改良点はまだ書かなくても大丈夫ですが、「何を変えるか」はある程度決めておきましょう。書きこむ前には下記の二つの作業を行ってからにしてください。
まず、「診断シート」でリストアップしたコンテンツの中で、管理できなくなったり、今後の方向性と全く違っているコンテンツを潔くカット、又は統廃合しましょう。カットすればそれだけ主役となるコンテンツが明確になりそれに集中でき、無駄な作業を減らす事が出来ます。
「目的」と「ターゲット」が今のコンテンツではカバーしきれない場合にのみ、今まで提供していた以外にも何か新しいコンテンツを加えても良いでしょう。コンテンツは、常に「新鮮」で無ければならないため、不用意にたくさん増やすと収拾がつかなくなりますので、出来るだけ実際の能力を考えた上で追加するようにしてください。
例えばコンテンツが下記のようにリストアップされている場合、図のように構造を書き出す場合もあります。
※メインのコンテンツを際立たせるために、他のコンテンツをまとめて分かりやすくしました。これは一例です。他の実現方法も必ずあるでしょう。
トップページについてから、コンテンツがスタートするまでのクリック数は出来るだけ少なくする事が必要です。 来てくれた人に飽きられないようにする目安としては、ベストは「0クリック」、最悪「3クリック」までに始まるようにしておきましょう。(最深部へのクリック数は最後にチェックします。)
今回はここまでです、おさらいとしてまとめて見ました。今まで作業した内容を一つ一つチェックしておきましょう。
サイトに関する情報を全て確認する事で、今まで漠然としていたサイトの姿が明確になり、問題点もみつけやすくなります。いままで考えていなかった事や、忘れていた事も全て見つかるはずです。正直にしっかりチェックしておく事が後のリフォームをスムーズに運びます。
自分にあった使いこなせる道具を手に入れることは、全ての作業をストレス無く行え、確実に完成までの時間を減らし、やりたかった事にかけられる時間を増やす事が出来ます。そして、情報源もツールです。
リフォームの第一歩として、まずコンセプトの再検討からはじめました。初心者の作るサイトでありがちな「何をしたいのか」や「何のサイトか分からない」状況を改善するために、全ての要素で「主役」を決め全ての作業をそれに集中させること、それが全てです。
まだ始まったばかりです。色々と難しいところ、先の見えないところなどあるとは思いますが、もし気に入っていただけたのでしたら、次回をお楽しみに。物足りない方はリンク集からご自分にあったサイトを見つけていただけると幸いです。